顔が近づいてきて唇が触れそうになったその時、わたしは覚悟を決めた。 ゴツンッ 鈍い音が聞こえて数秒後 「ってぇ~……おま、なにすんだよっ」 「わ、わたしの方が痛いもんっ!」 赤くなったおでこに手をやって大上くんはわたしを睨む。 うわ、本気で睨まれてますわたし…… 「お、お風呂行ってくる!」 置いてあった浴衣と用意しておいた小さなバッグを抱えてわたしは部屋を飛び出した。 「……どーすっかな」 部屋に残された大上くんの独り言なんてわたしは知るわけがない。