「ねえ、梨菜。あそこじゃない?あの宿じゃない?」 「ん、本当だ!やっと着いたぁ~っ!」 お姉さん方の嬉しそうにはしゃぐ声が聞こえてわたしも先の方にある建物を見つめる。 んー……よくわかんないけど、もうすぐ着くんだね。 よかったよかった。 「おまえ顔色悪いけどホントに大丈夫かよ」 足を止めてわたしのことを待っていてくれてるらしい大上くん。 先に進むお姉さん方の背中から視線を大上くんに移す。 わたしの手荷物も持ってもらっちゃって本当申し訳ないです…