「ボタンだけでいいのかよ」
俯いていたらいきなり
頭上から声が降ってきた。
聞きたかった声。
大上くんの声だ。
顔を上げるとちょうど視線が重なってドキドキと胸がうるさく音を立て始める。
「ボタン、欲しいんだ?」
真顔で聞いてくる大上くんにわたしは首を縦に振る。
「……タダではあげらんねーよ?」
え…、そんなぁ~……!
お金取るんですかー!?
一瞬、口の両端を持ち上げて大上くんはニッと笑った気がした。
「俺の欲しいものくれたらボタンやるよ」
「欲しいもの……?」
なんだろう。
大上くんの欲しいものってなんか……そう簡単に手に入らなそう…
難しそう……!



