制服のスカーフを握りしめながら重たい足を動かし、廊下の端を歩いていった。 胸はバクバクと破裂寸前。 大上くん。 大上くん。 心の中でその名を呼びながらただ前を見つめてわたしは近づいていった。 まずはあの集団に入らなきゃ。 大上くん、こっち向いてくんないかな… 「……っ!」 黒い頭をずっと見つめているとふいに振り返って目があってしまった。 わたしがここにいたことに驚いたのか大上くんは少し目を見開いた。