【完】うしろの席のオオカミさん



廊下にはたくさんの人で溢れかえっていて、通る隙間もないぐらいだ。


この後、クラス会をするらしいからみんなとはまだお別れではない。



けど、まだもうちょっと。
学校に残っていたい。




───カシャッ




シャッター音がすぐ近くで聞こえてわたしはハッとしたように振り返る。




「日向子の横顔ゲット~!」




莉乃ちゃんが突き出してきた携帯の画面にはわたしが写っていた。


わたしのことなんて撮ってどうするのよ。


撮るならわたしじゃなくて、三人の写真を撮ろうよ。





ポケットから携帯を取り出そうとしたその時、廊下がドッと騒がしくなった。



気になってわたし達三人は教室の窓を開けて廊下に顔を出す。