背中に感じる水瀬くんの大きな手の感触にびっくりして思わず固まってしまった。 さすってくれてる……のかな? 優男だ、優男。 水瀬くん優しすぎる。 「痛い?」 「ううん。大丈夫だよ!」 顔を少しだけ後ろに向けた。 ありがとう、と続けようとしたその時。 「……何やってんの?」 冷たい声。 まず目に入ったのは上履き。 ゆっくりと視線をあげると… 声の主はやっぱりあの人だった。 「大上こそ掃除サボって何やってんの?」 水瀬くんは立ち上がってわたしの前に立った。 近すぎて思わず見上げる。