【完】うしろの席のオオカミさん





家庭研修期間が終わり、またいつものように学校へと登校する。


一カ月みんなと会ってないからすごく久しぶりに感じる。


クラスメートのみんなも。
教室も。
自分の席も。


懐かしい、なんて思っちゃったり。



あと二週間ぐらいで卒業式はやってくる。



ほうきで床を掃きながら時々休憩しては窓の外の景色に目をやった。


田んぼに囲まれているこの学校。
校舎のまわりにも木がいっぱいあって。


まわりはとても静かで自然いっぱいな学校だ。



田舎という言葉が一番当てはまる。



「ごめん、及川さん!ちりとり取ってくんない?」


「あ、はーい」



ほうきを壁に立てかけ掃除用具入れの扉を開ける。