「ち、違うと思いますよ」
黒髪になったのはきっと、気分。
勉強に一生懸命取り組むようになったのは受験生だから。
そうだよね?
「日向子ちゃんは郁磨のこと嫌い?」
「いえ……」
いきなりなんでこんなこと聞いてくるんだろう。
反応に困る……
「照れなくていいじゃん。好きって言っちゃえばいいじゃない。お姉ちゃんがその恋応援しちゃうよ?」
横からお姉ちゃんが入ってくる。
はいぃ!?……恋って!
「そういう好きじゃない!」
つい声を張り上げてしまった。
いつもより少し強めな言い方にお姉ちゃんはぽかんとわたしを見つめていた。



