さっきウェイトレスさんが出してくれたお冷やを口の中に流し込む。
お姉さん方の視線からは逃れられない。
別にちょっとだけ大上くんのこと見てただけじゃないですか。
寂しそうな顔ってどんな顔ですか。
「俺、これ食べたら先帰るわ。ちょっと用事できた」
いきなり大上くんが戻ってきてわたしたちはバッとそろって顔を向けた。
話……聞かれてなかったよね?
「えー、これ食べ終わったらカラオケ行こうと思ってたのに~」
梨菜さんは不満そうな顔を大上くんに向ける。
カラオケなんて今初めて聞いたんですが。
わたし、カラオケ行ってもきっと歌わないな。
人前でなんて歌えない!
お姉ちゃんの前でなら大丈夫だけど……。



