【完】うしろの席のオオカミさん




一月ももうすぐで終わろうとしていた。

三年生は家庭研修期間に入る。
学校に来るのは一ヶ月後。



「日向子!なんかあったらメールしてね」



莉乃ちゃんはぎゅっとわたしの手を痛いぐらいに掴んでいた。


ふふっと小さく笑ってしまう。


今年のバレンタインは参加できないか……
ま、試験が終わったら作ろっかな。



「ひなちゃん、ちゃんと寝るんだよ」


「うん!ちゃんと寝る!」 



大きく手を振って校門前で二人とは別れた。


自転車を漕ぐ足がとても軽い。




大上くんとはしゃべらないまま家庭研修期間に入ってしまった。


試験会場で会うかもしれない。
そのときは……頑張ろうね、って言おう。



絶対に絶対に合格できる。
そう信じて挑もう。