【完】うしろの席のオオカミさん



うるさいな。
機嫌悪そうに見えるのなら話しかけないでよ。



わたしはなにも答えずまた歩を進めた。



今は顔も声も聞きたくない。
混乱気味の頭で考えたって整理がつくはずがない。



考えるのやめよ。


大上くんのこともう見ない。


大上くんに対するこのよく分からない気持ちを
追い出そうとしたけど無理だった。


消えないんだよ、なぜか。
消そうとしても消えてくれない。


だから今は心の端っこに寄せておく。


受験が終わったら……考えよう。