「おぶってやろーか?」 頭を横にぶんぶんと振る。 いい!いいからそんなの! 早く帰ってよ大上くん~……! 足に力を入れてなんとか立ち上がり、手すりに掴まりながらも一段一段ゆっくりと階段を下りる。 大上くんは黙ってわたしを見ていた。 普通に歩いてるところを観察されるのってなんか……嫌だ。 「日向子」 振り返ろうとしたがわたしは歩くのを止めただけで振り返りはしなかった。 ……このイライラはなに? どこに向ければいいの? 「ご機嫌ナナメ?」