「……まだ、水瀬のこと好き?」 視界の端から大上くんが消える。 大上くんはポケットに手を突っ込んで足を止めて立っていた。 やっぱり真っ直ぐと見つめられるとそらしたくなる。 「もう好きじゃない」 小さな声だったけどちゃんと聞こえたかな。 誰を嫌いで誰を好きかなんてはっきりとわからなくなってきた。 前までのわたしならはっきりと大上くんのことを嫌いだと言えてたのに。 おかしい。 「誰が好きなんだよ?」