【完】うしろの席のオオカミさん



雨振る前に帰んなきゃなぁ……



「わぁー、雨降ってきちゃったよー」



窓側から聞こえたクラスメートの声に勢いよく顔を向ける。


う、嘘でしょー……
傘もなにも持ってきてないよぉ…!




「マジかよ。傘持ってきてねぇ……」



ぽつりと呟いた大上くん。


さっきまで周りにいた男子たちはみんな窓側にと移動していた。


みんな窓に張り付いて空の様子を観察。




「ゴホッゴホッ……はぁ……」



大上くんの小さなため息。

ガタッと椅子を引く音。


ダルそうに上履きをすって歩く足音が遠ざかってゆく。


チラッと後ろに顔を向けると大上くんの姿はなかった。



まさか濡れて帰るのかしら……?