駅。


「あっ!これ可愛いー!買おうかな」

千晶ちゃんがヘアゴムを手に取り、笑顔で言う。


「ほんとだ。可愛いね」

学校帰り、私と千晶ちゃんは駅に寄り道していた。


調理実習も終わり、またいつもの日々。

あの日のことを思い出すと…今でも胸が高鳴る。


キス、されそうになったんだよね…。

見つめ合った佐野くんの瞳が綺麗で…吸い込まれそうになった。

澄んだ瞳に凄くドキドキした…。


もしほんとにキスされてたらって考えると…。

無理…。
思い出しただけで…頬が熱い。


だけど、キスはしなかったけど…間接キスはしちゃったんだよね。

やっぱり、何度思い出しても恥ずかしい…。