「高野ー!これはこうでいい?」

「うん。ありがとう笹本くん」

「やっぱり高野は手際いいよなぁ。さすが!」

「そうかな?ありがとう」

「ほんとほんと!」

ニコニコと満面の笑みで褒めてくれる笹本くん。

真っ直ぐな褒め言葉。
嬉しくて、くすぐったい気分になる。


「高野さん、何かすることある?」

「佐野くん…。えっと、じゃあ…これ混ぜてもらっていいかな?」

「うん」

普通に話しかけられただけなのに、胸がトクンとトキメク。

やっぱりそれは…佐野くんだから。


佐野くんのエプロン姿って…レアだよね。中々見れないと思うし。

結構似合ってる…というか、なんか、可愛い…かも?

思わずマジマジと見つめてしまう。


「何?」

「えっ…なんでもないよ」

「ほんとに?」

「ほんと、ほんと…」

「相変わらず、可愛い反応」

「…っ」

可愛いとか…平気で言うから、恥ずかしくて調子が狂ってしまう。


「高野っ!ちょっとこっち手伝って!」

「あっ、うん…」

笹本くんに呼ばれ、私は赤い頬のまま佐野くんから離れた。