True Love

調理実習当日。


あっという間に、この日がやってきた。

毎日楽しみで、ひそかに心待ちにしていた。

今日は頑張ろう。
少しでも、佐野くんに喜んでもらいたいから…。


「未来、今日は頑張ろうね。佐野にアピールするチャンスだし」

小声でそう言うと、千晶ちゃんはニコリと笑った。

千晶ちゃんの言葉に、私も笑顔で頷く。


すると、

「あーぁ…なんでよりによってお前らと一緒にやらなきゃいけねーんだよ」

つまらなそうな顔で、立川くんが話しかけてきた。


「なによ、なんか文句あんの?」

「つーか、お前いくらつかさのことが好きだからって、友達だしに使うなよ」

「はあ!?全然意味わかんないんだけど。前にも言ったけど、私彼氏いるし!好きじゃないし!」

「声でけーよ。つかさに聞こえるぞ」

「だから聞こえたっていいし!」

「知ってるか?素直じゃない女は嫌われるって」

「あんたマジでバッカじゃないの?バーカ!バーカ!」

「バカって言うほうがバカだろ!バーカ!」


千晶ちゃんと立川くんが言い合いを続ける中…調理実習がスタートした。