「ロールケーキ作ってほしいって言ったんだよ。ね、高野さん」
「う、うん…」
それを聞いた笹本くんがまた口を開いた。
「ロールケーキぃ?」
「そう。高野さん作るの得意みたいだから」
「なんで高野が料理得意って知ってんだよ!」
「ってか、さっきからなんですぐムキになるの?」
「…なっ!ムキになってねーし!」
そんな二人の会話に見かねた町田くんが口を開く。
「どうでもいいけど早く決めない?授業終わっちゃう」
「そうだよー!早く決めよ」
千晶ちゃんも町田くんの意見に賛同する。
「じゃあロールケーキで決まりでいい?」
佐野くんがそう言うと、
「そうする?」
「だね。ケーキだし、それで決まりでいいや!ずっと黙ってるけど、立川あんたは?」
「別になんでもいい」
町田くん、千晶ちゃん、立川くんもロールケーキで賛成みたい。
「おい待てよ!クッキーは!?」
笹本くんがそう言った瞬間、授業の終わりを告げるチャイムが鳴った。
「よーし、じゃあロールケーキで。残念笹本」
「なんだよっ!」
千晶ちゃんがどんまいと笹本くんの背中を叩いた。


