次の日。


朝、教室に向かいながら、千晶ちゃんと二人廊下を歩く。

歩くたびに、心音が早くなるのがわかった。

もうすぐ教室に着いてしまう。
教室には…佐野くんがいる。

こんなに緊張するなんて、どうかしてる。別に何をするわけでもないのに。心臓は静まってくれそうにない。


教室の扉を開くと、すぐに佐野くんが目に入った。

昨日と同じように、窓際で数人の女子と話をしている。


ダメだ…。

佐野くんの姿を見つけたとたん、緊張がピークに達した。

見てるだけで、精一杯。
見ることすら、際どいくらい…。

好きと認めたら、こんなになっちゃうなんて…。

のぼせそうな想い。
どうしたらよいのだろう。


「高野!おはよう!」

「…笹本くん。おはよう」

ニコニコな笹本くん。
緊張してた想いが少し和らいだ。


町田くんも加わり、四人で話をする。

その間も、佐野くんが気になって仕方ない。

全神経が佐野くんに向いているような感覚。

意識も、何もかも、全部が佐野くん中心になってしまう。

…好きって凄い。