春。


様々な感情が交差する、始まりの季節。


「やった!また同じクラスだよぉ!よかったぁ!」

ぴょんぴょん飛び跳ねながら、満面の笑みで千晶ちゃんが言う。


「ほんとだ。また同じクラスになれたね」

貼り出されたクラス発表の紙を見て、私も微笑む。


高野未来(たかのみらい)。
今日から高校2年生になった。


「未来がいなきゃ絶対イヤだし!」

「あはは。ありがとう千晶ちゃん」

ニコニコと嬉しそうに笑うこの子は、田宮千晶(たみやちあき)ちゃん。

小学生の頃からの長い付き合いで、幼なじみみたいなもの。
私の大切な親友だ。


ちょうど一年前の入学式の朝も、今日と同じように二人で喜んだ。

入学式の朝は、今よりもっと緊張していたけど。

高校生になったという、ドキドキとワクワク。

沢山の期待と不安が入り交じっていた。


…また千晶ちゃんと同じクラスで過ごせるんだ。

とても嬉しいし、同時に心強い。

それだけ私にとって、千晶ちゃんは大切な存在だから。