「やばい!佐野達出るとこだよ!私達も出よっ!」

急いで部屋を出る千晶ちゃん。


「えっ…!ちょ、ちょっと待って千晶ちゃん!」

慌てて私も部屋を出る。


駆け足で店を出ると、かろうじで佐野くん達の姿が見えた。


「やばっ見失っちゃう!」

そう言って走り出す千晶ちゃんの後を必死で追う。


真っ暗な空。街の灯り。
賑やかな大通りを一気に駆け抜ける。

しばらく走ると佐野くん達との距離も縮まり、私達は足を緩めた。


「はあ…危なかったねぇ。見失わなくて良かった」

息を整えながら、私はコクリと頷いた。