和成も首を傾げているところへ、別の兵士が隊長に向かって叫んだ。


「隊長! 城の電算室から緊急入電です!」
「合戦中だ! 軍事に関わりのない事なら切れ!」


 苛々した口調で叫び返す隊長へ、兵士は困惑した表情で続ける。


「それが……。関係あるんじゃないかって言ってるんですけど……」
「なんだ、その曖昧さは……」


 隊長は気が削がれて、訝しげに眉を寄せた。


「音声を切り替えて、つないで下さい」


 和成の指示に従い、司令所内に城からの電話の声が流れる。

 それによると、昨日まで技術局で使用していた新型無線電話制御用主機の試験機に、五時間前から戦略主機本番機宛の情報が送信され続けているという。