右近は再び目を輝かせて和成にじゃれついた。


「あぁ? それってさっきの話に関係あるんだろ? 教えろよ」
「絶っ対、教えない」
「いいじゃないか。さわりのとこだけでも」
「うるせーな。いいからさっさと配置につけよ」


 右近を無理矢理引きはがした時、視界の隅に紗也の姿が映った。
 厩舎の側で中にいる馬を珍しそうに眺めている。
 普段は城の中に閉じこもっているので、生きた動物を目にするのは珍しいのだろう。

 和成は紗也の背中に声をかけた。


「紗也様、じきに開戦です。中央司令所においで下さい」


 紗也は振り向いて和成に駆け寄ってきた。


「それって和成のいる所よね? 一緒に行く」