和成は笑顔で静かに男を見つめる。
その妙に穏やかな様子が後ろめたい事のある男にしてみれば、よけいに凄みを増して見えた。
「俺、あの記事のせいで迷惑してんだけど。そもそもなんで俺の事記事にしたわけ?」
和成が問いかけると、男はおどおどした様子で和成の顔色を窺いながら答える。
「杉森の軍師について嗅ぎ回ってる奴がいたんだ。ちょうど飲み屋で城に勤めてるって女の子から、城にいるかわいい男の子が軍師なんだって話を聞いてたから記事にしたらうけると思って」
「それが金髪美少年か」
軍師について嗅ぎ回っていたのは、先日捕らえた間者かもしれない。
「で、今朝の記事だけど情報提供者は誰?」
「それは言えない」
顔を背ける男の目の前で、和成は再び鯉口を切った。
「ってか、知らないんだ!」
刀を見つめて、男は焦ったように大声でわめく。



