和成が指差した記事にはこう書かれていた。


”杉森国天才美少年軍師、続報! なんと! 名前が判明!! 三津多和成! 実は見た目は少年だが青年だった! 軍師なので頭が切れるのは当然ながら、剣の腕も上級者! 写真は合成だが本人を知る人物からの情報提供により、かなり本物に近いはず!!”


 記事に目を通した後、塔矢がつぶやいた。


「感嘆符が多すぎないか?」
「そんな事はどうだっていいんです! 私を知る人物って誰なんですか?!」


 和成が机を叩くと、塔矢は顔をしかめる。


「俺じゃないぞ」
「わかってますよ。そんな事」


 その記事を最初に見つけたのは慎平だ。
 内容が内容なので情報処理部隊長に報告したところ、隊長が記事の配信元に記事の削除依頼と問い合わせを行った。

 問い合わせの結果、情報の出所は結局わからなかった。
 ――というのも、記事を書いたのは配信元の関係者ではなく、一般の閲覧者だったのだ。