「よろしくお願いします」


 部長は頭を下げて苦情対応に戻って行った。

 物的証拠となる消去直前の会計情報呼び出し履歴と会計主機の認証履歴の印刷を慎平に頼み、和成は電算部職員を集めて復旧作業を分担する。

 電算部職員の三分の二は情報処理部隊員が兼任しているので、和成とは気心の知れた者たちばかりだった。

 作業分担が終わると、職員たちはそれぞれ復旧作業に着手する。
 和成は端末に向かい、以前自分が作った命令の中を探り始めた。

 そこへ慎平がやってきて、二枚の用紙を差し出す。


「和成殿、各履歴です」
「ありがとう」


 和成は用紙を受け取って席を立つ。
 そして今まで見ていた画面を指差した。