そして、塔矢によって自分の気持ちを気付かされた経緯を話した。
 話を聞いた右近は呆れたように言う。


『おまえ、そこまで直接言われないと気付かなかったのか?』

「なんで紗也様だけ斬れないのか謎が解けたのはいいんだけどさ」

『ニブすぎんだろ。ちなみに俺が敵だったらどうする?』


 からかうように尋ねる右近に和成は即答する。


「ソッコー斬る」
『ひっでーっ』


 少しの間二人して笑った後、和成は今度こそ電話を切ろうとした。


「じゃ、店と時間が決まったらまた連絡する」
『あぁ。飲みに行く時、ついでに手ぬぐい返せよな』