「もうひとつ聞いてもいいですか?」
「なんだ。ひとつじゃなかったのか?」
「さっきの謎々の答えです」


 塔矢は呆れたようにため息をつく。


「わからないのか?」
「わかりません」


 真顔で見つめてくる和成は本当にわかっていないようだ。
 塔矢はイタズラっぽく笑って和成の肩を叩いた。


「それは宿題だ。自分で考えろ」
「えぇ?」


 和成が不服そうに顔をしかめたが、塔矢は相手にしない。


「おまえ休みの日にも城に引きこもって本か電算機しか相手にしないから人の心がわからないんだ。もっと外に出て人とつき合え。ただし今日は城から出るなよ。まだ謹慎中だしな。今日はろくでもない事ばかり考えて疲れた頭を一日ゆっくり休ませろ。昼飯はちゃんと食えよ」