「紗也様。我々は元より和成殿の刑が意にそぐわぬものであれば異議を申し立てる所存にございます。和成殿の処遇に関しては精一杯尽力いたしますので、どうかご安心下さい」

「ありがとう」


 紗也が微笑んで頷いたところに和成が戻ってきた。司令所の皆が黙って和成に注目する。

 全員が立ち上がってこちらを見ているその異様な光景に、和成は怪訝な表情を浮かべて隊長に尋ねた。


「何かあったんですか?」


 隊長は常にないほどニコニコとしながら答える。


「紗也様に御挨拶を賜っておりました」
「挨拶?」


 益々訝しげな表情で、和成は紗也を見つめた。
 紗也は笑って和成を見つめ返す。