教室に戻る途中、


廊下には人がごった返していた



派手な紙袋を持った女子たちが



授業開始ぎりぎりまで

チョコを交換し合っている。



それにしたって、よくやるよな




と、毎年毎年その行動には関心させられる。



まるで何かの儀式みたいだとも思った。




「篠村~!

はいこれー、あげる」



そんなに仲の良くない女友達が
当たり前のように渡してくるから

少し戸惑う。



それでも嫌な気はしないから



別にバレンタインは嫌いじゃなかった




というより、正直どうでもよかった



ただ先生からもらえれば



それでよかった