普通はここで理事長室へ行くんだろうけど、私は行かない。
いや、行っちゃいけないんだ。
「はぁ…。」
私は、まだ時間があったから屋上にきた。
丁度、誰もいなかったから独り占めだ。
「誰も居ないからいっか……。」
まずは、ゆっくりと深呼吸。
次に、空を見上げる。
そうすると、本当の自分が出てくる…。
「…………なんで、生まれてきたんだろう」
私は、いらない子。
汚れている子。
「…………………ねぇ、誰か答えてよ。
私って…可哀想な子?」
やっぱり、誰も答えてくれなかった。
つまり、私はそれだけの存在だったってこと。
…………ただ、それだけのこと。
