「霞ちゃん、もう帰り?」 「うん。ごちそうさま」 「じゃあ、一緒に帰らない?俺ももうあがりだから」 「…いいけど」 「ちょっと待ってて」 ハルはそうお店の奥へ引っ込んで行っては、そそくさと戻ってくる。 その姿は、ファーのついたミリタリージャケットにデニムという珍しい私服姿となって。 「お先失礼しまーす」 「おう。お疲れー」 「霞ちゃん、行こう」 その背中に続くように、お店を出て歩き出す。