「春樹、アタシにお酒作ってきて。強いやつ」 「いいけど、また酔い潰れても知らないよ」 (春樹、って…知り合い?) 話し方から見ても、ただのお客というだけではなさそう。 そんな二人が気になり、ついよく見てみてしまう。 「潰れた時は送って行って。それか春樹の家に泊めて」 「嫌だよ。泊めたらまた狭いだの汚いだの言うでしょ」 「だって本当のことじゃない」 「……」 泊め、て… ということは、そういう仲だった人? 二人は私の視線に気付くことなく、会話を続ける。