わたし、鈴原 雛はいま、体育館のステージにニコニコと愛想笑いを浮かべて立っていた。

そして……。

「ごきげんよう。皆さん。今日から新学期が始まりますわね。頑張って行きましょうね。」

という、とんでもなく短かいスピーチをした。
今回のスピーチは先生に短くていいわよ。

と言われていたので、これだけで良く、長い文章を考えなくて良かった。

メッチャ嬉しかった。

なんてことは言わずに、

「まぁ、そうなんですの?残念ですわ。皆さんにたくさんお話したかったのに…。でも、しょうがないですわね。先生方のご都合もございますから。」

そう言った。

何度もやった愛想笑いを浮かべて。