「ここに座って・・・」 舞台袖にある階段に海道くんを座らせ、鞄の中に入っているテープを取り出した。 そのテープを、海道くんの右足に巻きつける。 海道くんは時々痛そうな顔を見せた。 「・・・できたよ」 「おぉ!朝比奈テーピング上手いな。ありがとう」 「・・・・・いいよ」 ・・・前は二人でいても落ち着いていられたけど、今は、落ち着いていられない。 けれど、そんな私の気持ちを知ってか知らずか・・・。 「あっ、ここにいたんだね。宏くん♪」 真美さんがやってきた。