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蝙蝠に似た大きな羽を羽ばたかせ、連なった二匹の竜が大空を駆け抜ける。

あれから一昼夜、ほとんど休みなく飛び続けている俺たち。

そんな中・・・


「ねぇ、君のワイバーン遅れてない?」


「あ?」


「だ・か・ら、兄さんのヴィーヴルより遅いんじゃない?って言ってんの!」


俺の背後からひょっこりと顔を覗かせて、文句を言い始めたニコル。


「・・・・・・」


「本来ならワイバーンが先導していなきゃいけないのに、なんで道案内を連れていないヴィーヴルが先に行っちゃってるのさ?」


それは、俺も気になっていたけどっ!!


「・・・一人乗りのワイバーンに三人も乗ってるんだから、遅くて当然だろうがっ!」


お嬢さんが王子のヴィーヴルよりも遅れているのは、間違いなく重量オーバーのせいだ。

決して、普段のお嬢さんが遅いというわけじゃない。