≪祈りの儀式≫が始まった。


そろそろ姫さん達が姿を現す頃かと思っていれば、巫女のローブを纏った女が一人ずつ祭壇の周りを囲む様に立つ。


---しかし・・・ローブを深く被っているから、誰が姫さんだかわからねぇじゃねぇのよ!?


その間にも、どんどん進んでいく儀式は8人の巫女が定位置に着いた事によって、祈りのルーンを唱え始める。

空は既に暗闇に包まれていて流星群が一つ、また一つと流れて行く。

ここで、やっとローブを脱いだ巫女達にヤロー共の歓声が湧き上がる。
案の定、肩が剥き出しで例年通り露出の多い衣装が人目に晒された・・・

あれ?姫さんがいない!?

打ち合わせでは、祭壇の右側に位置する筈だった姫さんの姿は見えず、錫杖の音とパール嬢達のルーンだけが会場を包み込んでいる。


ヤバイ・・姫さんがあの位置に着いていなければ、石の力は効かない。


「何で、急に位置が変わっているんだよ!?」


肝心の姫さんの姿を探していれば、他の巫女よりも遅れて祭壇に近付く影が一つ。
人々の視線が一気にその影に移れば・・・


美しく着飾られた姫さんがゆっくりと祭壇の階段を登り始めていた───