「ヴァイス、これを持っていろ」


「うぉっ!?」


ソファーを立ち上がってベッド脇の引き出しから取り出したモノをヴァイスに放ると慌てて受け取り、手にしたそれをマジマジと見つめた。


「王子っ、これって・・・何だ?」


手の中の物を見ながら訝しげな顔をする。


---これも知らないのかよ・・・


「お前・・・よく竜騎士団の隊長になれたな」


俺の冷ややかな視線を感じたのか、そっぽを向くコイツに魔法石の使い方と共に説明をすると


「へぇ~、これがねぇ・・・」


左手の親指と人差し指で摘んだ琥珀色をしたソレを興味深げに凝視しているヴァイス。


「使い方を間違えるなよ」


ヴァイスに釘を刺して言えば


「信用ねぇなぁ・・」


不満そうに口を尖らせる。


「お前、肝心なところで必ずヘマするからな」


不安要素を口にすれば苦笑いを返すだけ。


---自覚してるって事かよ・・