・・・コンコン


「・・・・・」


---?


何で応答が無い?


・・・ガチャ


「フローラ?」


部屋に入ったが誰も居ない。

俺が迎えに来るのは知っていたから先に行く事はないと思うが・・・

名前を呼びながら隣の部屋のドアを開けたら


・・・ガチャ


「フロー・・ラ?」


「うわっ!ロック?」


まだ本当に支度が終わっていなかった・・・


「まだ終わっていなかったのか」


「うん、用意してもらったドレスがちょっと・・・」


そう言って立ち上がったフローラを見た俺は声が出なかった。

新しく用意したというドレスはフローラの瞳と同じ水色のオフショルダー。

腰の部分に宝石があしらわれていて、そこからオーガンジーのフリルが後ろに流されている。

背中は大きく開いていて体のラインがはっきりわかるデザイン。

装飾品は一切つけていないのに、その美しさに圧倒されていた。


「誰にも見せたくないな」


そんな言葉が口から零れた。


「え?」


「・・・髪はそのままで」


少しでもフローラの肌を他の奴等に見せたくなかった


「あ、うん」


フローラの返事を聞いて時計を見ればあと10分で7時だった。


「行くか」


俺の言葉にこくりと頷いたフローラと晩餐会の会場へと向かった