放課後、あたしは梨華に声をかける。 「梨華一緒に帰ろー」 「あー……ごめん。先約、あるんだっ!」 「? ふーーん」 梨華が先約、ねぇ……。 「じゃあ、先帰るね」 「ん、また明日ね♪」 あたしは下駄箱でローファーに履き替えて、傘をもって玄関を出る。 すると、壁に寄りかかっている翔太が。 「……何、やってんの?」 「雨止むの待ってるんです」 「あ、そう……」 『入れてあげよっか』 って……言ってあげればいいだけなのに。 言えない自分が、少し情けない。