翔太って、ほんと不思議な奴。 子供っぽいのか、男らしいのか、わかんないよ。 でも……嫌いじゃないって思った。 ううん、むしろ……かっこいいなって、素直に思ったんだ。 「そろそろ時間だな」 「そうだね」 その後、2人で席に座り、しばらくして映画が始まった。 ……あ。 手を置いている場所で、翔太との手が触れ合う。 こういう時、恋人なら握り合うんだよね……。 でも、あたしたちはまだお試しだ。 あたしと翔太は、手を繋がないまま、映画を観た。