ふと先輩たちの手元を見ると


 ふわふわした白い何かを持っている。


 しかも全員が。


「先輩、それなんですか?」


 2年生の先輩が笑顔で


 ”学校名の入ったその白い何か”を見せてくれた。


 そこには白くて丸いのに顔文字みたいな顔がついてて


 なんとも可愛らしいキャラクターだった。


「お守りかな?」


 と私が思うと


「うん、お守り。」

 
 と言って2年生の先輩は


 後ろについてる安全ピン同士で


 他の先輩から貸してもらい、全部を縦につなぎ合わせていた。


 まるで本番前ではないかのように。