天使の涙


お昼を告げるチャイムがなった。

「ソラ!」

椎名に呼ばれ振り向く。

「何?」

「お前、昼飯!ハイ。」

目の前に差し出されたビニール袋。

「何?これ。」

「だから昼飯!お前の。」

「あ…ありがとう。」

ビニール袋を受け取ると、椎名はニカっと笑った。

「んじゃあ俺屋上行くけど…。ソラも来る?」

「いい。行かない。」

「即答ですか。どうせ、友達居ないんだろ?」

ゔ…。

「よけいなお世話!」

「あーハイハイ。」

そう言って教室を出ていった。

ビニール袋を開けるとパンが入っていた。

袋を開けて、パンを頬張る。

授業は全く理解できなかった。

やっぱり私は中学生なのだろうか。

私の誕生日はいつだろう。

今日は7月10日。

蒸し暑い。

クーラーの聞いた教室はまるで天国のよう。