未だに分からないもの。多分人生で最大の謎だと思う。

“坂森さんの性格と嗜好(しこう)”と“あの時の真剣な表情”

あの人が引越して来てから今日までを振り返ってみれば……

母さんが何時ものようにやって来た坂森さんに何気なく聞いた。

「リュウ君は目玉焼きは何をかけるの?」

何処でどのルートを辿ってその話題になったかは覚えていない。

だけどこの後答えた坂森さんの答えは衝撃的な物。

「砂糖と塩を7対3の割合で」

流石の母さんもこの言葉にはドン引きした様子。

何時もの笑顔はなく、苦笑いを浮かべていたから。

他にもご飯にマヨネーズをかけて食べる事もあると言っていたりと…

ありえない組合せの物ばかりを彼は好んで食べている様子。

それでも母さんは彼との交流を楽しんでいた。もう慣れてしまったのだろう。