1年が経過した。

あの日からリュウの存在を確かめようと、一般のプールや温水プールで浮かぶ事が増えた。

泡が出る度に“これはリュウなのだろうか?”と少し思ってしまう。

告白をされたイクト。どうやらリュウに告白された事が少しだけトラウマになっているらしく、

男からの“好きです”と言う言葉にやたらと鳥肌を立ててしまうようだ。

それが自分に向けられているものでなくてもらしい。

そう言った色々な変化があったけれど、隣の507号室には誰もいない。

リュウの後、すぐに入居者が入ったけれど僅か数週間でいなくなった。呪い?

ひょっこりとまたリュウがやって来る気がして、僕は少しワクワクしている。

夜の散歩も変わっていない。あの日彼と出会ったプールにも、たまに不法侵入している。

今日も久々にフェンスをまたいで侵入した。そして勢い良くダイブする。