二階にある自分の部屋のドアを大きく開いて、先輩を中に促す。


「どうぞ…」


「お邪魔します…」


先輩も少し緊張しているのか、部屋の中をキョロキョロと見回している。

お母さんのハイテンションっぷりについていけなくて、部屋に案内したけれど、どうしていいかわからない。

カチコチと時計の刻む音がやけに大きく聞こえて、その無音に耐え切れなくて部屋にある小型のテレビのスイッチを入れた。

しばらく二人とも無言だったけど、ふとカレンダーをみて誕生日だった事を思い出した。


「あ、」


私の呟いた声が聞こえたのか、先輩はうん?と少し首を傾げる。


「お誕生日、おめでとうございます」


ぺこっと頭を下げると、ふっと笑い、「中原も、おめでと」そう言ってくれた。