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当日、午前中に先輩が子犬を連れて来てくれた。

セーラちゃんは、やっぱり淋しいみたいで探し回っていたらしい。


―――ごめんね、セーラちゃん。今までありがとう。大事にするからね。


先輩をリビングに案内すると、お母さんも出てきて子犬に夢中になっている。

ちっちゃい、可愛い、食べちゃいたいっとひたすらハイテンションだ。

この調子じゃ、子犬がお母さんの手から離れるのはしばらく後になりそうだ。


「お母さん、程ほどにしとかないと、病気になるって」


わかってるわよ~っとほんとにわかったのかわかってないのか。

こんな時はもう何をいっても聞こえてないんだろうな……


「ほんとにほどほどにね!」


そう注意して、先輩を私の部屋に案内する。