部屋に戻ってから、連絡先を聞かなかった事を後悔した。
でも、クラスと名前がわかってるから、明日会いに行こう。
そう思いながら眠りについた。
次の日、連絡先を聞こうと1年の教室に向かっていると、ちょうど中原も俺を探していたらしく。
ちび達の様子を教えてやると、凄く嬉しそうに笑っている。
その笑顔に笑窪ができているのを見つけて、何だか可愛くて。
俺もつられて笑ってしまった。
聞けば、犬を飼えることになったと言う。
犬を飼うのに必要なものを聞いてくる位だから、すごく楽しみにしてくれているんだと思う。
けれど、まだ産まれたばかりのちびだし、どうなるか分からない。
昔の経験が思い出されて、ついお節介を口にしていた。
その直後、中原がそっと呟いた「ありがとう」と言う言葉に、思わず胸が詰まってしまったのは、ここだけのヒミツ。
その後も少し中庭で話をしてから、連絡先を交換した。

![こうして未来は繋がっていく―黒猫シロと僕―[完]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.760/img/book/genre1.png)