きっと言わなくても伝わってるだろう、
なんて甘ったれた事を信じていて。
言葉にしなきゃ伝わるもんも伝わらない
のによ。
高校生になって、時折見かけた心優は、
いつもよりもずっと綺麗になっていて。
見惚れてしまうくらいだったけど、同時
に嫌な胸騒ぎが止まらなかった。
───案の定、その胸騒ぎは当たってし
まうことになったのだけれど。
心優には彼氏が出来ていた。
誰とも付き合うことのなかった心優に、
彼氏が出来ていたんだ。
それを知った瞬間、息が出来なくなって
。
冷や汗が止まらなくて、眩む視界の中で
君の笑顔が霞んでいき。
突きつけられた現実はすごく残酷だった
んだ。
どうせこんなことになるくらいなら。


