【完】結婚させられました!?





それを伝える勇気だけが、ちっとも成長
しないまま。



いつの間にか卒業式を迎えていた。



高校が離れるって知っていたけれど。

もう今までのように学校じゃ会えないと
、わかっていたけど。



それでも俺は甘えていたんだ。



幼なじみという関係と、家が近いという
その事実に。



幼なじみなんてさ、ちっとも得じゃない
のにさ。



曖昧すぎるその距離感に俺はただ、苦し
められるだけなのにさ。



それでも彼女との接点が消えない事実だ
けが、嬉しくて。



不利益なんて考えても居なかった。



身を焦がすような想いは、今にも爆発し
てしまいそうなのに。



もう行き場すら見つからないくせに。



俺は……臆病だったから。